7/27/2008更新

右下の画像は
このポラの撮影の
仕上がり印刷物の一部分

「今週のポラ」連載3回目にして、これはだいぶ古い写真ですねェ
高校の同級生、大竹君がいわゆる脱サラして
ウェディングドレスのオーダーメイドの店を始めたときの広告写真(右上を参照)
ちなみに彼は先月の在庫一掃セールを最後にこの店を閉めた

そして、当時アシスタントをしていた M君をきつく叱ったのもこの撮影の時だった。
この後、そんなに日をおかず
もう一度M君の仕事ぶりにキレタ僕は彼を首にした。
その彼の同級生で、あるデザイン学校でボクの写真の授業を同じく受けていた女の子Yさん
昨日夜、豊田市の美術館を舞台に行われた
ダンスと音楽のコラボレーションイベントで会った。
彼女は卒業以来ずっと照明の仕事をしているそうだ
ボクは昨夜は記録の写真を撮っていた
彼女はボクが三脚を構えたすぐうしろ、高さ3メートルほどの足場の上
フォロースポットで出演者を追っていた。

さてこの写真
前に助手をやってくれていた若者達はみんなまめなヤツが多く
ポラをアルバムに整理してくれていた
その中から引っ張り出してきたモノです。
なぜこの写真?
ボクにもわからないけど、そのアルバムを見ていたら
自分で言うのなんだけど、ボク結構「物の写真」上手いネ。
それで食べてきたんだから当たり前か?
ポラアルバムは面白い、懐かしく、時間を忘れて見入ってしまいながら
何となくこれに決めた。

さてこの写真
結局本番では使われていない。
この構図の写真を撮ったかどうかも、今や定かではない。
僕がこの写真を選んだのは
多分スタジオの窓がきれいに写っているから・・・
今は機材と長い間にたまってしまったモノ達で
こんな風に、窓の構成は見られない。
この窓の割付は、この広告物をデザインした田端君の作品。
スタジオを建てるとき、いくつかの窓の割付を彼にデザインしてもらった、
当時、彼は名刺のデザインも趣味だったと思う
「名刺からビルまで・・・」と彼は言っていた。

さてこの写真
ウェディングドレスを着ているのは、いわゆるボディ
よく覚えてないが・・・モデルを使う費用がなかったからなのか
モデルを使ったウェディングドレスの広告があまりにも当たり前だったからなのか
そんな理由だったと思う
連載のはじめに使ったポラは、作り物のスパゲッティ
なんだかいつも偽物を使っているようで、少し気が引ける。
今回、はじめに使おうと考えていたポラは
何年か前の夏のボーナスキャンペーン用に撮った銀行のポスターのポラ
そこでは、縁側におかれたかき氷がよくできた偽物(蝋細工)だった

さてこの写真
またまた、画面の上が暗いですね=これ「ケラレ」と言います。
良くないことです、つまり本来写っていて欲しいところが写ってないわけです。
もちろん、印刷物にするときに
その暗いところをトリミングして使わなければ問題はないのですが・・・
なぜ、このようなことになったか?
今となってははっきり覚えていないのですが、多分「アオリ」の使いすぎ。
「アオリ」というのは、主に蛇腹の付いた大きなカメラで写真を撮るときに使うテクニックで
レンズとフィルムの位置関係と平行(直交)関係を、変化させることで
形の遠近感をコントロールしたり、ピントの合う範囲(平面)をコントロールするテクニックです。
ちなみに、アオリが使えるカメラ(レンズ)は
一般の人が使う35ミリカメラでは多くはありません。
その中で、キャノンのEOSシリーズがわりと充実させていて
広角24ミリ(主に建物を撮るため)
標準系45ミリ(僕はモデルの脚を長く見せるのに多用している)
少し望遠90ミリ(いわゆる物撮用?、眼だけにピントを合わせる写真が流行った昔よく使われていた)
・・・と3本もラインナップされており
ピント以外は自動化されているので使いやすく、値段は高いレンズ群です。
僕は、この3本をかなりよく使っていて
少なくとも僕が仕事をする上では
ハッセルブラッドというブランド中型カメラを使うよりも
モノの形と構図に関して遙かに自由度が高い
だから、僕が35ミリ(普通、小型カメラと呼びます)で物撮りをしているのを眼にしても
手を抜いているとは思わないでください。
印刷物として使われるサイズが小さい(A4ぐらいまでかな?)ときは、
中途半端にハッセルブラッドとかの
6センチ幅(ブローニーフィルムという)のフィルムを使うカメラで撮るよりも
EOSのアオリレンズを使った方がきちっと撮れる場合が多いのです。
世の中の印刷屋さん、デザイナーの中には誤解している人も多いのですが
もちろん大きく(物撮りならば葉書サイズぐらい以上)写真を使う予定があったり
時間と予算に余裕があったり
どうしても大型カメラを使いたい理由があるときには
蛇腹の付いた、黒い布をかぶってファインダーを覗く
昔ながらの「シノゴ=4x5」・・フィルムのサイズが4インチx5インチあるカメラを使います。
僕の場合
あのブランド=カールツアイスのプラナー135ミリレンズを使いたいがために
「四の五」カメラを使うときはしばしばです。

さてアオリについてもっと詳しく、画像入りで説明しているサイトがあります。
もちろん、写真ギャラリーも充実している安井豊彦という写真家のサイト
是非、一度のぞいてみることをお薦めして、今回は閉じることにします。